僕たちはプライベートの時間を潰してまで勉強する必要はあるのか?

engineering

Sponsored Link




数日前に以下の記事が話題になっていた。

エンジニアは業務時間外でも勉強するべきなのか - 株式会社アクシア

この課題については僕も日々思いを巡らせているトピックなので、これを機会に自身の考え方を言語化しておこうと思う。元記事はプチ炎上?していたようだが、記事内で言われていることは至極真っ当で、何ら叩かれるべきことはないのではないか、と感じてる。

Sponsored Link



前提条件

まず始めに、僕自身のことについて述べておこう。僕はいわゆるITエンジニアである。ファーストキャリアは全く畑違いの仕事をしていたが、その後エンジニアの働き方に魅力を感じ、今に至る。ざっくりと今の僕のスペックは以下だ。

  • WEBエンジニア
  • エンジニア歴は4年程度
  • ベンチャー企業に在籍

年齢に対してエンジニア歴が短いこと以外は、特筆して変わっているところはない。

プライベートの時間を割くかどうかは会社次第

いきなり身も蓋もない結論になってしまうが、プライベートの時間を割いてまで勉強する必要があるかどうかは、在籍している会社次第である。

というのも、業務時間中に濃密な学びがあるかが重要なポイントになるからだ。

勉強自体は、確実に必要

そもそも勉強が必要か?という問いに対しては、確実に必要だと答える。特にIT界隈は技術トレンドの移り変わりが激しいので、一年も経てばそのトレンドはガラリと変わってしまう。

もちろん、Linuxの知識や、RDBMSの知識、TCP/IPの知識といった、エンジニアリングの土台となる部分に関しては、ベースの知識+αで数十年通用するような知識もある。

しかし当然その知識だけではエンジニアとしては不十分で、実際にアプリケーションを構築していくスキルが必要になる。そしてこのアプリケーションを構築する上で必要となるものが、言語やフレームワーク、デザインパターン、エコシステムといった部分のスキルで、これらのトレンドの変遷が非常に速いのだ。

別にトレンドを常に追う必要はなく、デファクトになった時に学んでいけばいいじゃないかという意見もあるだろうが、それでは後手後手になってしまうことは否めないだろう。エンタープライズ分野であればむしろそういう考え方の方がマッチしているのかもしれないが、僕らがいるようなベンチャー企業のそれとは性質が異なる。

業務時間外の勉強は、必ずしも必要ではない

ではその自身のスキルアップをどこで図るか、ということが今回の問題の本質である。これには当然、

  • 業務時間中にスキルアップする
  • 業務時間外にスキルアップする

という2つが考えられる。もし仮に前者であれば、わざわざ大事なプライベートを潰してまでスキルアップする必要はない。とは言うものの、勉強するという行為は自分自身に対する投資なので、当然時間を割けるなら割くに越したことはないのだが。

だが残念なことに、これは所属している会社によるところが大きい。

もし会社がチャレンジングで、こういった部分に投資してもらえるのであれば、業務時間中に濃度の高い学びを得ることができるだろう。例えば機械学習をやりたいとして、モノになるかどうかはわからないけどチャレンジさせてもらえる期間を貰えるのであれば、そこでドンドン学習して知識を蓄えることができる。逆にこういった投資をしない、出来ない会社だと、既存のスキルでできることで業務を回していくことになる。これではスキルが一向に伸びないのは当然だ。

これは会社が良い悪いの話ではなく、単なる会社の方向性の問題である。

技術で勝負する会社であれば投資してもらえるだろうし、技術で勝負しない会社であれば投資しない。ただそれだけの単純な話だ。

勉強しなかったら市場価値が下がっていく

勉強しないとどうなるかというと、これは火を見るより明らかで、市場価値がどんどん下がっていく。

価値が上がらない、ではなく、下がるのだ。理由は単純で、自身のスキルが伸びないということは、相対的にその価値が下がっていくからというのが理由である。スキルが陳腐化しないような業界(あるかはわからないが)であれば、少なくとも価値が下がっていくことはないが、ことIT業界においては、下がっていく。

エンジニア界隈で話題になる理由

僕がIT業界にいるからか、こういった話題は特にエンジニアにとっては非常に身近でよく言われることではある。では逆に他の職種、他の業種はどうだろう。

職種で言えば、身近にいるのはプロデューサー、プランナー、デザイナー、デバッガーが思い当たる。だが、この中で、日々勉強が必要な職種があるかと言われれば、正直首を傾げる。デザイナーはスキルアップは必要だろうが、それはエンジニアリングのそれとは異なり、どちらかと言えば経験値だったり、作業量をこなすことによるノウハウだったりする部分が多いように感じる。一方、プランニングの手法なんてものはそうそう変わるものではないし、プロデューサー、デバッガーのスキルも同様のことが言える。

業種で言えば、僕が前にいた電機業界では、自宅で勉強しているなんて話は正直言って聞いたことがない。まぁ上場企業だったのでそれなりに教育制度が整っていたことも理由としてはあるのかもしれないが。

ではなぜエンジニア界隈ではこういった話が飛び交うのだろうか。

職業エンジニアが多い

まずはこの職業エンジニアが多いということが挙げられる。

先述した通り、エンジニアは常に勉強していかなくてはならない宿命にある職業である。一方で、お金を稼ぐためにエンジニアをやっている層にとってはプライベートの時間で勉強なんてしたくないわけだ。僕自身、好きでエンジニアという職業を選んだわけだが、プラベートを犠牲にしてまで勉強したいとは思わない。

ただ中には朝から晩までコーディングすることを苦に思わないような変人もいるわけで、今の日本のIT業界はこういった変人レベルにコードを書いて当たり前という風潮があるように感じられる。

そして皮肉なことにそういった変人レベルの人たちは総じてお金には無頓着で、場合によっては平均以下の給与でも働くことが多い。そうすると、僕ら一般レベルの給与もそれを基準に低く低く抑えられてしまう悪循環なのである。

費用対効果が薄い

次に考えられる理由が、先述した話とも通ずる部分があるが、費用対効果だ。

日本のITエンジニアの給与は、世界標準のそれと比べて非常に低い。例えばアメリカであれば、エンジニア年収は1000万以上であることはよく知られている。控えめに見積もっても、日本のエンジニアの平均年収と2倍以上の開きがあることは事実だ。

つまり、いくら頑張っても上位数%に入るような超人的なエンジニアにならなければ、日本では高給取りにはなれない。一方で医者や弁護士、ファンドマネージャーなど、スキルアップして結果を出せば必ず高給取りになれる職業も少なからず存在する。

これは日本社会全体のエンジニアリングに対する考え方、IT業界の業界構造に大きな問題があるわけであるが、なかなかここを個人の力で変えることは難しい。なので、頑張っても報われない、という雰囲気が漂っているのではないだろうか。少なくとも、僕はそう感じてる。

エンジニアリングが好きで好きでたまらない人ばかりで構成されていれば良いのかもしれないが、当然そんな層ばかりいるわけではない(事実、僕の会社のエンジニアもそういう人が多い)。

まとめ

ここまで、僕の考え方をざっくばらんに書いてきたので、最後にきちんとまとめておこう。

  • エンジニアは一生勉強し続ける必要がある
  • 業務時間中の勉強だけで十分な場合もあれば不十分な場合もある
  • エンジニアに対する日本国内の待遇が最悪で最低限の勉強しかしない層が数多く存在する

ちなみに僕が在籍している会社は、業務時間中の勉強だけでは不十分なタイプの会社なので、日々勉強しないといけないという強迫観念に追われながら生きていることは言うまでもない。

Sponsored Link




engineering

\気に入ったらシェア/